もう一度キミと青春を。
蒼空が真中さんに詰め寄られて言葉に困っている。


「どうして紬の誘いは断るのに森下さんとは出掛けるの?」


「いや、別に、タイミングじゃん?」


「タイミング?なんの?」


「うーん…」


押され気味の蒼空と、不満をぶつける真中さん。


そんな2人を見て萌音がボソッと呟いた。


「でた、痴話喧嘩」


痴話喧嘩…。


「紬とも遊びに行ってよ」


「だから、タイミングが合えば俺から誘うって」


蒼空が少し乱暴な言葉遣いをするのは、男友達と真中さんだけ。


私にはあんなふうには話してくれない。


真中さんしか知らない素のトーンがあるのが羨ましい。


「じゃあ今日は?明日は?」


「今日も明日も無理。都合良い日があれば俺から誘うっつってんだろ?」


「誘ってくれないから紬から誘ってるんじゃん」


「だからぁ、タイミングの問題だって言ってるだろ」


「だからタイミングって何?そんなに忙しいの?そうは見えないけど」


「俺には俺の予定がある。全部紬に伝える必要ある?」


「森下さんとは予定合わせられるのに、紬には合わせられないの?」


「今花純は関係ねーじゃん!」
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