もう一度キミと青春を。
どうしよう。


また、好きな人を奪われたっていう理由でいじめられたらどうしよう。


真中さんは杏みたいに性格が悪いわけじゃないけど、杏と同じ立ち位置にいる。


真中さんが杏のように私を敵視したら、またあの時のようなことが起こるかもしれない。


「じゃあ今日は紬と遊びに行って」


「だから無理!」


「なんで!?」 


「無理なもんは無理。諦めろ」


「理由を聞いてるの!」


蒼空が遊びに行けない理由はきっと日和ちゃんだ。


昨日はお父さんが仕事で家にいなかったから遊びに行けたけど、今日はいるんだと思う。


さっきから言っていた“タイミング”もそういう意味なんだと思う。


「今日は予定がある」


「最近毎回それじゃん。紬のこと嫌いなの?」


「嫌いじゃないって。なんでそんな怒ってんの?」


蒼空は気づいてないのかな…。


真中さんは相当蒼空のことが好きだ。


露骨にアピールしているし、周りも全員分かっている。


だけど、蒼空本人は全然気づいていないのかも…。


だから余計に真中さんを怒らせる。
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