何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
夏祭り
蒼空と真中さんはその日のうちに仲直りし、翌日にはいつも通り仲良しに戻っていた。
蒼空と真中さんは本当にずっと仲が良い。
一緒に登校してくる日もあるし、そうじゃない日も真っ先にお互いのところへ行く。
移動教室も一緒だし、お弁当の時間も一緒。
本当は私も蒼空と一緒にお弁当を食べたり、一緒に登下校したりしたいのに、言い出せなかった。
真中さんと蒼空の間に割って入る勇気なんてない。
そして、そうこうしているうちに、あっという間に1学期が終わった。
転校してきて約2ヶ月半。
終業式が寂しい気持ちになる行事だなんて知らなかった。
これから1ヶ月学校に来れないなんて、退屈だ。
「花純花純!お祭り行くよね!?」
放課後、萌音が興奮気味に話しかけてきた。
放課後に教室に残って友達とお喋りする日が来るだなんて、3ヶ月前には思ってもみなかったな…。
「お祭りって?」
「毎年7月31日に、小学校のグラウンドでお祭りがあるの。屋台もたくさん並ぶし、花火も上がるよ」
「へ〜。皆行くの?」
夏祭りかぁ…。