もう一度キミと青春を。
そして翌日、蒼空は来なかった。
約束の6時を過ぎても来ず、何度電話しても繋がりすらしなかった。
「おばあちゃん…、蒼空…何かあったのかな…」
着付けもヘアセットもしてくれたおばあちゃんが、その髪型が崩れないよう優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫。蒼空はきっと来るよ」
「でも、変だよ。蒼空がこんなふうに約束を無下にするなんて」
何かあったんじゃ?
激しい暴力を受けて動けなくなったんじゃ…?
もしそうだとしたら…?
「探しに行ってくる!」
「ちょっと、花純ちゃん!」
おばあちゃんの制止を振り払い、家を飛び出す。
浴衣にスニーカーという不格好な姿だけど、蒼空を探すのに下駄は入れられない。
とりあえず家に向かおう。
家にいますように。
どうか無事でいてくれていますように。
お願い蒼空…。
無事でいて…。