何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
想像してしまう。


夕暮れ時の廊下を2人で並んで歩く姿を。


放課後デートして、クレープ食べたり、映画を見たりする未来を。


あの夏祭りの日まで、思い描いていた未来を。


もう、2年が経とうとしているのに。


私は過去に取り残されたように、一歩も前へ進めない。


「花純が金髪なのは、蒼空さんの影響?」


「…うん。蒼空のあの綺麗な金色の髪を忘れたくなくて」


「そっか…」


高1の入学式の日、金髪の私に臆せず話しかけてくれたのが奏だった。


進学校ということもあり、派手な髪色にしている人は少ない。


奏もそのうちの一人で、明るい茶髪をしている。


奏の場合は地毛が明るいだけなんだけど。


奏はかなりの美人でモデルのように背が高く、人目を引く存在だ。


そんな人が友だちになってくれたおかげで、私の高校生活は順調に進んでいる。
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