もう一度キミと青春を。
ずっと会いたいと願っていた蒼空だ…。


無事に生きていてくれたんだ…。


「桐谷の席は、廊下側の1番後ろ。森下の隣な」


っ!!!


そんな偶然、あっていいの?


運命の再会、だ。


「席が隣だから森下。それから学級委員の赤嶺。桐谷にいろいろ教えてやってな」


「はい!」


まさか蒼空と再会できるなんて…。 


「蒼空!久しぶり!」


隣に座った蒼空にさっそく声をかける。


こうして並んで授業を受けるのはいつぶりだろう。


中3の二学期からも、本当はこうしていたかった。


あの日何があったのか、ずっと聞きたかった。


どうしていなくなったのか。


村を出てからどうしていたのか。


何があったのか…。


蒼空がジッと私を見つめる。


「…蒼空?」


「…え、誰?」


…え……?


え…?


「蒼空…?」


蒼空の顔色は一つも変わらない。


まるで能面。


「悪いけど、名前呼ばないでくれるかな。いきなり下の名前は馴れ馴れしすぎるというか」


は……?
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