何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「そうか?別になんもすごくねぇよ」


「過去は過去って割り切ってるでしょ?私は今でも過去を引きずってるし、その時背負った傷が今でも痛む」


赤嶺くんとのキスを学校の人に見られて、周りの目が気になってる。


またいじめれるんじゃないかって不安になってる。


蒼空のことだってそう。


忘れられなくて、いつまでも彼との未来を考え続けてしまう。


ありもしない未来を。


「それは性格じゃね?俺は元々気にしない性格だから、“まぁそんなこともあったな”程度で済むだけ。比べるもんじゃないと思うけどなぁ」


「うーん…。どうすればそうなれるの?」


“まぁそんなこともあったな”と考えられたらどれだけ楽だろう。


今を全力で楽しめたらどれだけ良いだろう。


「考えたこともないな。まぁ、最初は言い聞かせるといいんじゃね?」


「言い聞かせる…か」


“仮面”を被っていた蒼空を思い出す。
< 200 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop