もう一度キミと青春を。
蒼空のあの明るさは、蒼空が苦しみの最中で作り出した虚像。
言い聞かせるうちにそれがいつしか実像になろうとしていた。
赤嶺くんはそれとは違う。
ずっと自然体で、取り繕うことをしない。
素の自分、過去の自分を隠そうとしない。
「森下は森下のままでいいと思うよ。過去を大事にしてて、出会った人とか出来事を想い出としてすごく大事にしてるってことだろ?俺にはそれができない。森下の素敵なところだと思う」
「え…?」
これが私の素敵なところ…?
「だってそうじゃん。俺は人の名前とか、その人と何したとかすぐ忘れるタイプだから、思い出ってあんまりないんだよ。でも森下はたくさん思い出があるだろ?良い思い出だけじゃないかもしれないけど、忘れて何も無かったことになるよりは全然いいじゃん。せっかく経験したんだから」
“せっかく経験したんだから”
そっか。
そういう考え方もあるんだ。
「なんか語っちゃってごめん。もう始まるから黙るわ」
照れたように笑ってスクリーンに視線を移す赤嶺くん。
“何も無かったことになるよりは全然いいじゃん”
“せっかく経験したんだから”
そう…だよね。
何もかも忘れてしまうよりも、心に残り続ける方がいいのかもしれない。
チラっと顔を見上げると、気づいた赤嶺くんがニッコリ笑い返してくれた。
言い聞かせるうちにそれがいつしか実像になろうとしていた。
赤嶺くんはそれとは違う。
ずっと自然体で、取り繕うことをしない。
素の自分、過去の自分を隠そうとしない。
「森下は森下のままでいいと思うよ。過去を大事にしてて、出会った人とか出来事を想い出としてすごく大事にしてるってことだろ?俺にはそれができない。森下の素敵なところだと思う」
「え…?」
これが私の素敵なところ…?
「だってそうじゃん。俺は人の名前とか、その人と何したとかすぐ忘れるタイプだから、思い出ってあんまりないんだよ。でも森下はたくさん思い出があるだろ?良い思い出だけじゃないかもしれないけど、忘れて何も無かったことになるよりは全然いいじゃん。せっかく経験したんだから」
“せっかく経験したんだから”
そっか。
そういう考え方もあるんだ。
「なんか語っちゃってごめん。もう始まるから黙るわ」
照れたように笑ってスクリーンに視線を移す赤嶺くん。
“何も無かったことになるよりは全然いいじゃん”
“せっかく経験したんだから”
そう…だよね。
何もかも忘れてしまうよりも、心に残り続ける方がいいのかもしれない。
チラっと顔を見上げると、気づいた赤嶺くんがニッコリ笑い返してくれた。