もう一度キミと青春を。
真中さんと付き合ってるって何?


嫌がらせって何?


「中学の頃の話。中1ぐらいからずっと紬と付き合ってる」


は……?


は…?


何を…言ってるの…?


蒼空の目は冷ややかで、嘘をついているようには見えない。


だけど、蒼空が言っていることは間違ってる。


どうなってるの…?


蒼空の記憶がすり替わってる…?


中学の記憶が抜け落ちている…?


だから、私のことも覚えていなかったの?


でも、記憶がないって、どうして…?


「ねぇ、もう少しじっくり話させてくれないかな…?」


蒼空の記憶の中に、私はいない。


愛し合っていたことも、一緒に苦しみを乗り越えようとしたことも、何もかもが無かったことになっている。


私と過ごした時間は消え失せて、真中さんと付き合っていたことにされている。


秘密の滝の思い出は…?


花純は大切な仲間だって言ってくれたあの時間は…?


家庭の悩みを打ち明けてくれたことで縮まったキョリは…?


告白し合った夏祭りは…?


一緒に幸せを願ったあの夜は…?


どうして、すべてがなかったことになっているの…?


それだけじゃない。


どうして、真中さんが上書きされているの?
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