何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
隣にいるのは蒼空じゃない。


そして、蒼空の隣にいるのは…真中さん。


蒼空の隣をいつの間にか奪われてしまった。


蒼空との思い出もすべてかき消されてしまった。


上書きされてしまった。


私と蒼空は恋人同士だったのに、今や私は悪者。


嫌がらせなんてしてないのに、蒼空は信じてくれない。


真中さんがすべてだから。


私は…蒼空がすべてだったのにな。


悔しい。


本当の彼女は私だったのに。


悔しくて悔しくてたまらない。


「森下…」


赤嶺くんの足が止まった。


私の前に回り込んできて、自然と目が合った。


「なぁ。やっぱり俺と付き合ってよ。俺なら絶対にそんな顔させない」


もう、何度目の告白だろう。


数え切れないくらい断ってきた。


何度断っても、変わらずずっと好きでいてくれる。


何度でも告白してくれる。


こんなに真っ直ぐに想いを伝えてくれる人、他にいない。
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