何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「一緒に乗り越えさせてよ」


「…これ以上赤嶺くんを傷つけたくないの。ごめん」


「俺は傷ついてなんかない。延々と桐谷の話を聞かされようが、桐谷が好きだと言われ続けようが、俺は傷つかない。森下の支えになれることが一番の幸せだから」


なんて、真っ直ぐなんだろう。


どうしてこんなにブレずにいられるんだろう。


その真っ直ぐさが羨ましかった。


拒まれ続けても一直線に愛を伝えてくれる。


それができる人って、この世にどれだけいるのかな。


少なくとも、私にはできない。


拒絶されて傷ついて、他の女の子と付き合ってることを知って傷ついて、すべてを忘れたくなって、忘れられなくてまた傷ついて。


蒼空が好きだって本人に伝えることなんてできない。


好きだった事実を無かったことにしたいと思ってしまうほどに、苦しくて苦しくてたまらない。


「赤嶺くんが羨ましい」


赤嶺くんのような考え方ができたらいいのに。


ポジティブで、自分の気持ちに素直で、綺麗。
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