もう一度キミと青春を。
奏がバスケ部2人と話している間に、残っていたお味噌汁を飲み干す。


舜くんはそんな私の顔をまじまじ見て微笑む。


「そんなに見ないでよ…」


「可愛いからつい」


「もー、だから、人がいるところでそういうこと言わないでってば」


軽く睨んでからトレーを持って立ち上がる。


「じゃ、行こっか奏」


「行こ行こ〜、早く涼みたい」


「え、どこ行くん?」


「図書室。涼しいらしい」


「へー」


また興味のない“へー”が返ってきて呆れ顔の奏。


そんな二人をニヤニヤして見ている舜くんと、もう一人のバスケ部員くん。


あ、もしかしてこの二人、そういうこと?


食堂を離れてから奏に聞くと、予想は当たっていた。


「あいつ、芝田翔星(しばたしょうせい)っていうんだけど、中学が同じで、なんだかんだ昔から仲いいんだよね。赤嶺繋がりで最近距離が縮まって…って感じ」


「へぇ〜!!奏も好きな人いたんだね」


あまりそういう話は聞いてこなかったから、恋愛に興味がないのかと思ってた。


「もう一人あの場にいたのが、西田悟(にしださとる)で、西田がけっこう私と翔星をくっつけたがってる感じかな」
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