もう一度キミと青春を。
「そうだったんだ、全然知らなかった」


「恥ずかしくて言ってなかったの。ごめんごめん」


「ううん!奏にもそういう相手がいるって知れて嬉しい」


いつも私の話を聞いてもらってばかりだったから、これからは奏の話もたくさん聞きたいな。


「てか、赤嶺とは最近どうなの?」


「うーん…特に進展はないよ?」


「デートはよくするんでしょ?」


「まぁ、そうだね」


今でも二人で一緒に帰ってるし、休みの日に出掛けることもある。


手も繋ぐ。


でも、それだけ。


それ以上の進展はない。


「あんなに散々告白されてたのに、最近は何も言われないの?」


「…うん」


初めて二人でクレープ屋さんに行った日、あの道中で“付き合って”と言われたのが最後。


それ以来、彼は私に“付き合おう”と言わなくなった。
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