何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「揺れ動くのは仕方ないことだよ。自分を責める必要はない。赤嶺だって、花純の気持ちの変化は察してると思うよ。だから今日は声をかけてこなかったんじゃないの?」


「でも…。記憶がない間は舜くんと仲良くして、記憶が戻るかもって時になって蒼空のところへ戻るのは、都合良すぎるし、最低だよ。結局私は、蒼空から逃げてただけなんだな…って」


舜くんにはたくさん優しくしてもらった。


たくさん笑わせてくれた。


ツラい時、そばにいてくれた。


なのに、今さら“やっぱり蒼空が好き”だなんて、思っちゃいけない。


「花純は優しすぎるんだよ。赤嶺は最初から全部分かってると思うよ。花純が自分と仲良くしてるのは桐谷くんの記憶がないからだし、もし記憶が戻れば桐谷くんの方へ行くんだろうなって。全部わかってて、花純のそばにいるんだよ。赤嶺の行動は全部赤嶺の判断だよ?花純が背負う必要ない」


「舜くんを傷つけたくないの」


「赤嶺は初めから、傷つく覚悟で花純のそばにいるはずだよ。それに私は、花純に傷ついてほしくない。感情に素直に生きてもいいんだよ」


舜くんに申し訳ない。


今こんなふうに揺れ動いていること自体が、彼の想いを踏みにじる行為だと思う。


そんなことをしてる自分が大嫌い。


だけど…。


蒼空のことが頭から離れない。


また、昔みたいな関係に戻れるなら…。


戻りたい。


あの頃のような関係に戻りたい。
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