何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
泡沫
翌日。
蒼空の意識が戻ったことを聞き、学校帰りに病院へ向う。
隣には奏。
舜くんとは挨拶を交わした程度であまり何も喋らなかった。
「病室…ここだね」
独特の消毒の匂いがする廊下を突き当たりまで歩いた場所に蒼空の病室があった。
「ふぅ……」
ノックしようと上げた拳が震える。
そっと奏の両手に包まれた。
温かい。
「いい?」
私が頷くのを待って、代わりにノックしてくれた。
「はい」
蒼空の声だ…。
奏がゆっくりと扉をスライドする。
薄い青の病院着を着て、ベッドに横たわっている蒼空の姿。
窓際には黄色とオレンジの花が生けられている。
「桐谷くん、具合はどう?」
「もう大丈夫。先生呼びに行ってくれたの、友坂さんだよね。ありがとう」
そして、蒼空の視線が奏から私へと移る。
金縛りにあったかのように身体が硬直して動けない。
用意してきた言葉も、喉の奥につっかえて出てこない。
蒼空の意識が戻ったことを聞き、学校帰りに病院へ向う。
隣には奏。
舜くんとは挨拶を交わした程度であまり何も喋らなかった。
「病室…ここだね」
独特の消毒の匂いがする廊下を突き当たりまで歩いた場所に蒼空の病室があった。
「ふぅ……」
ノックしようと上げた拳が震える。
そっと奏の両手に包まれた。
温かい。
「いい?」
私が頷くのを待って、代わりにノックしてくれた。
「はい」
蒼空の声だ…。
奏がゆっくりと扉をスライドする。
薄い青の病院着を着て、ベッドに横たわっている蒼空の姿。
窓際には黄色とオレンジの花が生けられている。
「桐谷くん、具合はどう?」
「もう大丈夫。先生呼びに行ってくれたの、友坂さんだよね。ありがとう」
そして、蒼空の視線が奏から私へと移る。
金縛りにあったかのように身体が硬直して動けない。
用意してきた言葉も、喉の奥につっかえて出てこない。