何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
何を偉そうに…。


蒼空を騙した側の人間なのに。


「離して。もう真中さんとは関わりたくないし、蒼空にも関わってほしくない」


腕を掴んで睨み合っている私たちに、通行人から視線が投げかけられている。


「お願い。少しでいいから。話をさせて」


いろんな人に見られているなかで、頭を下げて腕に縋りついてくる真中さんを振り払うことはできなかった。


「わかったから」


視線の中にはクラスメイトや同級生もいて、あまり見られたくなかった。


少し話してすぐ帰ればいい。


「こっち。ついてきて」


真中さんに腕を引っ張られて、人気のない道を進む。


「ちょっと、どこ行くの?別にこの辺りでいいでしょ」


「もうすぐだから」


怖い顔の真中さんに連れ回されること5分ぐらいだろうか。


一軒の隠れ家風なカフェに辿り着いた。
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