何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
白いレンガ造りの壁に蔦が絡んでいる、西洋風のお洒落なカフェだ。


えんじ色のドアには【close】の札がかけられている。


「ここって」


「わかるでしょ。千花さんのカフェ」


冷たく言い放って扉を引く。


カランコロン…と鈴の音が響く。


「入って」


「……うん」


ゆっくり、薄暗い店内に足を踏み入れる。


ステンドグラスの窓から西陽が差し込んで一筋の光の道を作っている。


そのステンドグラスの真下の席に千花さんは座っていた。


「久しぶり、花純ちゃん」


手招きされ、導かれるように彼女の席へ歩みを進める。


「…お久しぶりです」


「座って。紬ちゃんも、ここどうぞ」


私は千花さんの真正面に座り、真中さんは千花さんの隣に座った。


久しぶりに会う千花さんは、少しも変わっていない。


ただ、昔と違って固い表情をしている。
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