何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「飲み物、何がいい?」


メニュー表を見せてくれたけど、正直何も口にしたくない。


「結構です。話ってなんですか」


この異様な空気が怖い。


早く帰りたい。


「……。単刀直入に言うわね。蒼空とはもう関わらないでくれる?」


千花さんの鋭い視線が突き刺さる。


目力は強く、それ以外は無表情に近い。


薄暗い間接照明が彼女を妖しく照らす。


「…そんな話のために連れてきたんですか?」


「えぇ。お願い。関わらないって約束して」


「できません」


そんな話なら、もう帰ろう。


ガタッと椅子を引いた音がヤケに店内に響く。


「待って。蒼空のためなの」


「…蒼空のため?騙すことが蒼空のためだって言うの?蒼空がどれだけ傷ついたか、不安に思ったか、わからないんですか?」


「……。そうね」


千花さんは深いため息をついて真中さんを見た。


真中さんが頷くと、千花さんは私に“座って”と合図する。
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