何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「…なんですか」


座り直し、二人を交互に見る。


先に口を開いたのは真中さんだった。


「ごめんなさい」


テーブルに額がくっつくほど頭を下げる真中さん。


「え…」


急に…なに…。


さっきまでの態度は?


「蒼空を騙して、森下さんを貶めるようなことをして、本当にごめんなさい」


「……。本当に悪いと思ってるの?」


「思ってる。思ってるけど、どうしようもなかった」


顔を上げた真中さんの目はうるんでいた。


「…どうしようもなかったって?」


真中さんがチラッと千花さんを見つめる。


「私から話すわ。2年前の夏、何があったのか。どうして蒼空があぁなってしまったのか」


ドクン、ドクン、と心臓が波打つ。


千花さんはすべて知っているんだ。


真中さんも…。


蒼空も知らない、蒼空の秘密。


何があったのか知りたいと切に願った2年前の夏が、あの日から今日までの日々が、刻々と蘇る。


「…教えてください」
< 269 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop