何度でもキミに恋をする(旧題:もう一度キミと青春を)
「紬ちゃんなら何か知ってるかもしれないから、紬ちゃんに聞いとくね。転校初日で疲れたでしょ?お風呂入って休みな?」


紬ちゃんに相談しないと。


紬ちゃんが蒼空に何を話しているのか、私はすべてを把握しているわけじゃないから、下手なことは言えない。 
 

紬ちゃんに説明してもらうのが一番いい。


蒼空がお風呂に入っている間に紬ちゃんと連絡をとる。


【森下さんに嫌がらせされてたってことにしてください。そうすれば辻褄が合うんで】


【さすがにそんな嘘はつけないよ】


【蒼空が森下さんと仲良くなれば、記憶が戻るかもしれないし、森下さんが真相を話すかもしれないじゃないですか。あの二人を関わらせないことが一番です】


紬ちゃんの言い分はよくわかる。


蒼空を守るため。


そのために花純ちゃんを悪者にしていいの?


【私、あとで蒼空に電話するんで。その時に説明します。いいですよね?】


【ちょっと待って】


【私、蒼空のことがずっと好きでした。もう森下さんに邪魔されたくないんで】


それっきり紬ちゃんとの連絡は途切れてしまった。


「はぁーーー…」


私が選んだこの道は、正しかったんだろうか。


誰のことも幸せにできない道なんじゃないかな…。


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