もう一度キミと青春を。
「紬ちゃん、久しぶりに見ると随分大人っぽくなったねぇ」


「中身はクソガキのままだけどな」


クソガキ…。


蒼空もそういう言葉使うんだ。


さっきも真中さんのことを“お前”って言ってたし、仲良い人のことを話すときはそうなるのかな。


「花純、学校はどうする?行けそうなら一緒に行こ」


きっと、今一歩を踏み出さなきゃ、一生学校に行けない気がする。


自分を変えるなら今だ。


蒼空がいてくれるから大丈夫。


「行く」


「よしっ、行こ!」


蒼空がにっこり笑ってくれた。


それだけで固まっていた足が動き始める。


「いってらっしゃい。おやつ用意して待ってるからね」


おばあちゃんもにっこり笑って送り出してくれた。


「ありがとう…。いってきます」


ちょっと気恥ずかしいけど、これは大きな一歩。
< 30 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop