もう一度キミと青春を。
「今の人、この店のオーナーで、俺の母親の妹」


「えっ!?」


叔母さんってこと!?


大学生に見えたんだけど…。


驚きのあまり大きな声を出してしまい、他のお客さんからジロッと見られてしまった。


「あぁ見えてアラサー。見えないっしょ?」


「うん、大学生かと思った…」


「千花(ちか)ちゃんには言わないであげて。童顔なの気にしてるらしいから」


千花さんっていうんだ。


若く見えて綺麗な人だなぁ…。


オーナーってことは、このカフェの雰囲気も全部千花さんが創ったものってことだよね。


素敵…。


「千花ちゃんは、俺の命の恩人」


変わらぬトーンで、突如重たい話が飛び出し、反応に困る。


“へーそうなんだ”は軽い?


“どういう意味?”は詮索しすぎ?


なんて返すべきなんだろう。


逡巡している間に、蒼空が次々と言葉を紡ぐ。


その言葉はどれも衝撃的なものだった。
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