もしも運命を変える事が出来るなら…

乗り越えなきゃいけないもの

‐「お・き・ろ~!」

翌朝、喜々良(ききら)は健悟(けんご)に叩き起された。

バサッと肌布団を取り上げられる。

「今日、土曜日だよぉ?」

目をこすりながら、喜々良は健悟を見る。

「もう昼を過ぎてんだよ!
いつまで寝てるんだ、このタコ!」

いつになく口が悪い。

ムカつきながらも、

「チューチュータコかいな」

いつもと同じようにふざけるが、

「アホか!
今はふざけている場合じゃない」

ピシャリと健悟に言われてしまう。

そこでようやく何か事件が起きたと気付く。

おそるおそる、

「何があったの?」

喜々良が聞くと、

「奈良橋(ならはし)が死んだ」

ゆっくりと健悟は言った。
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