もしも運命を変える事が出来るなら…
『ただいま!』
‐「……きちゃん、ききちゃん!」

ユサユサと身体を揺さぶられ、目を開けると、佑典(ゆうすけ)がいた。

おそるおそる、

「…ゆうちゃん?」

名前を呼ぶと、

「どうした?」

喜々良(ききら)の好きな笑顔で答えてくれた。

「…あー」

ポリポリと頭を掻く。

「わたし、夢でも見たのかな」

「…夢?」

佑典が喜々良の隣に座る。

「つむちゃんが死んだ時の夢」

それを聞いて、

「あー…」

佑典は呟く。

「ゆうちゃん、つむちゃんの彼氏にキレてた」

「あれはつむちゃんの彼氏が、俺らは同類だとか、気持ちがわかるだろとか嫌な事を言ってきたから」

昔を思い出したのか、佑典は眉をひそめる。
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