甘い約束には罪がある


「でも、他の男子にわーちゃん取られるの嫌だな。」


翔は私の方を見ずにそう呟いた。


え??


それって女の子として取られたくないってこと?それとも妹がとられるみたいなかんじで?


「わーちゃんは俺だけ見てたらいいよ。」


翔は微笑んでそう言った。


ずるい、ずるすぎる。


そんなこと言われたら好きって気持ちやめれるわけない。


1度でも翔を忘れようとした私が馬鹿だった。


小さい時、「結婚」という約束をしたこともなかったことにしようとしていた。



翔はずっと私のことを思ってくれてたの?


私の事好きなの?


約束も覚えてるってこと??




「翔って私のこと、………」


私は好きなの?と聞こうとした。

でも聞けなかった。

好きじゃないって言われた時が怖かった。

「どうしたの?」


「ううん、なにもない。」


私はとっさに誤魔化してしまった。
< 13 / 38 >

この作品をシェア

pagetop