甘い約束には罪がある
そのときだった。
教室のドアがあいて、振り返ると翔が立っていた。
「残ってるのわーちゃんだけ?」
「びっくりした……そうだけど、」
翔と2人で話すのは久しぶりだった。
「お!わーちゃんメイドかーー」
翔は私が手に持っていた衣装をみてそう言った。
「きっと可愛いだろうなー、たのしみ。」
「……冗談やめてよ。。!」
私は嬉しいはずなのにそう言ってしまった。
「ほんとだよ、おれ嘘つかない。」
「いっつもそうやって私の事からかって、。
翔は何考えてるかわかんないっ……」
私は下を向いてしまった。
でも本音だった。
翔はいっつも私のことを可愛いって言ってくれる。
でもそれがどういう可愛いなのかは私には分からなかった。