ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「結局、自分ちの会社に入った。
 いきなりプロジェクトを任されて。

 これで駄目なら、叩き出すと勝手に決められ。

 ……お前がいきなり役職についたら、みんなが冷たい目で見るから、こういう試練を与えとかないとな、とか言うし」

 ほんともう、俺に構うなっ、と叫ぶ村正を見ながら、

 ……やっぱり、ただの過保護な親なのでは、とあやめは思っていた。

 いつの間にかパスタを食べ終わっていた村正は、貝の殻による残骸の上で頭を抱える。

「怖いんだよ。
 実はあいつ、ほんとうに父親なんじゃないかと思ったりとかして。

 よく似てらっしゃいますねとか、なにも知らない人に言われるし」

 はあ、顔は似てないですけどね。

 醸し出す雰囲気が似てるというか。

 きっと仕事のやり方も似ているのだろう、とあやめは推察する。
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