ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「ようやくわかったよ。
 お前に初めて会ったとき、なんでお前を基準にムラマサのお助け機能を作ろうと思ったか。

 お前が駄目人間そうだったからじゃなくて。
 お前を一目見て、こいつを喜ばせてみたいと思ったからだ」

 あやめが喜ぶと俺も嬉しい――。

 そう言い、村正は、そっと口づけてくる。

「……ところで、さっき、なんて言おうとしてたんだ?」

「いや、ちょっと……言えません」

「わかった。
 村正さん、大好きです、だな」

「違います」

「じゃあ、村正さん、永遠に愛してますだ」

「なんで言い切るんですか。
 ちょっと違います」

「ちょっとか」

「ああいえっ。
 すごく違いますっ」
と言うあやめを村正は抱き上げる。
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