ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「今日はまだ頭を整理したりとかしたいだろうからと思って、見逃してやろうかと思ったが。

 あんまり可愛いから、やっぱり、連れ去ろう」

「いや、可愛くなくていいですからっ。
 下ろしてくださいっ」
とあやめは暴れる。

 だが、村正の腕は、がっちりあやめを抱いたまま、ビクともしなかった。

「いやいや、可愛い可愛い。
 せっせとインスタに#ちょっと成長した気がすると、一ミリも変わってない気がするコーヒーの木をせっせと毎日載せているお前は可愛い」

「いや、成長してますよっ。
 なんか葉が元気になってる気がしますしっ。

 いや、ほんとにっ」

「ところで、さっき、ほんとうは、なんて言おうとしてたんだ?」

 追求厳しいな、と思いながら、あやめは白状する。
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