ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「そうだなー。
 二人だけの特別ななにか、とかあるといいな」
と村正は微笑む。

 仕事のときと違って、すぐに思いつかないあやめは、

「た……例えば?」
と緊張しながら、訊いてみる。

 そうだな、と村正はテーブルの上のあやめの手を握り、
「俺だけに話してくれる、お前の秘密、とかあるといいな」
と言う。

 ええっ!?
 そもそも、秘密がありませんっ! とあやめは叫ぶ。

 なにごともオープンなあやめには、そもそも秘密がなかった。





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