ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
体育会系の爽やかな青年だ。
「あやめ」
と呼びかけられ、
「えっ? 誰?」
と言ってしまう。
えっ? 誰?
と無礼にも訊き返してしまったあたりですでに、懐かしい匂いを感じていたのに違いないのだが――。
「細田だよ……」
と彼は言う。
「あっ、細田っ。
どうしたのっ?
なんか小綺麗なイケメンになってるじゃんっ。
昔は野球少年みたいだったのに」
「……お前の頭の中の野球少年は、小汚くてイケメンではないのか」
偏見だ、と言われてしまう。
いや、単に、坊主で泥だらけな子どものころから、見違えるように大人になっていると言いたかっただけなのだが……。
「あやめ」
と呼びかけられ、
「えっ? 誰?」
と言ってしまう。
えっ? 誰?
と無礼にも訊き返してしまったあたりですでに、懐かしい匂いを感じていたのに違いないのだが――。
「細田だよ……」
と彼は言う。
「あっ、細田っ。
どうしたのっ?
なんか小綺麗なイケメンになってるじゃんっ。
昔は野球少年みたいだったのに」
「……お前の頭の中の野球少年は、小汚くてイケメンではないのか」
偏見だ、と言われてしまう。
いや、単に、坊主で泥だらけな子どものころから、見違えるように大人になっていると言いたかっただけなのだが……。