ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「あやめみたいな奴の結婚相手って、どんな奴なんだろうって、ずっと思ってたんだけど――」

 細田め。
 なにかディスる気かっ、と学生時代を思い出し、あやめは身構えたが。

 細田は村正を見ながら、笑って褒める。

「お前に似合いの旦那だな。
 想像以上だ」

「まあ、どんどん呑みなよ、細田」

「なに急に機嫌良くなってんだよ……」
と細田が言ったとき、村正がやってきて、細田に挨拶した。

 微笑んだ村正に手を握られ、細田は緊張しているようだった。

「初めまして、細田さん。
 お噂はかねがね」

 細田があやめを振り返り叫ぶ。

「おいっ、あやめっ。
 どんなお噂が、かねがねなんだっ!?」




< 356 / 372 >

この作品をシェア

pagetop