ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
買い物に行っているとき、ムラマサがスマホを眺めているのに気がついた。
「どうしたんですか?」
とあやめが訊くと、
「いや、大おじさんからメッセージが」
と顔をしかめる。
「王子さん?」
「王子に『さん』付けおかしいだろう」
「人の名前かもしれませんよ」
と話しながら、街を歩く。
こうしてると、普通の男の人だな。
さすがに外では『ムラマサ』にはならないようだった。
っていうか、女性陣に振り返られている。
……いや、男性も振り返っている。
なんかキラキラしてるからな、この人。
ご主人様とか言いながら、ご主人様より、キラキラしないでくださいよ、とあやめは思った。