希望の光~たとえあなたが消えても愛し続ける~
「……俺、いつまでも頼りない年下の弟じゃないから」


「すごいね、本当にたくましくなってる。都会で頑張って、こんなに立派になって。おじさんやおばさんも天国で喜んでるね」


「立派なんかじゃない。でも、京夏さんを守らないと男じゃないって思うから。俺……1番つらい時に守ってもらった。だから……」


本当はそれだけじゃない。
京夏さんを守りたい気持ちは、決して「恩返し」なんかじゃなく、俺の中にずっとあった「愛情」なんだ。


「だから、旦那から離れて俺と一緒に居ればいい」


その時、ほんの少し、京夏さんの安心したような笑顔が見れた。
それだけで心が和む。


すぐ目の前にある京夏さんの美しい顔。
濡れたまつ毛、潤んだ瞳、動く度にサラッと揺れる髪……
その全てが、たまらなく愛おしかった。


京夏さんへの熱い想いが、今、俺の中を猛スピードで駆け巡ってる。
俺は、この人を「必ず守る」──
そう自分自身に誓わずにはいられなかった。
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