希望の光～たとえあなたが消えても愛し続ける～
消えた彼女
その翌日、京夏さんは俺の元から消えた。
何のメッセージも残さないで――


彼女がいなくなったとわかった瞬間、心臓が止まりそうになった。どこを探してもいなくて、電話にも出てくれず、ただ無情に時間だけが過ぎた。


あんなに愛し合ったのになぜ？


突然会えなくなってしまった寂しさと、京夏さんがどうなったか分からない不安。
「まさか、もう――」、そんな思いに俺の心は押し潰されそうだった。


それからしばらくして、色々手を尽くし、地元から引っ越していた京夏さんの両親とようやく連絡がついた。


京夏さんは――
夫のところに戻っていた。


もちろん、両親は何も知らない。
自分の可愛い娘は、金持ちの夫に愛され、何不自由なく幸せに暮らしていると思っていた。


複雑だった、どう理解すればいいのか。
突然俺の前から姿を消して、暴言と暴力に支配された家になぜ戻ったのか？


それでも、とにかく京夏さんは生きていた。
そう思ったら一気に体中の力が抜けた。


「京夏さん……どうしてだよ？ 俺じゃダメだったのか？」


誰もいない部屋に、独りつぶやく声が虚しく響いた。
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