俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
【離婚の危機を回避せよ~柊弥】
新婚生活から8ヶ月。
花純のお腹には、俺達の子供がいる。
お腹を撫でながら、楽しそうに話をする花純を毎日見ていると、こんなに幸せな気持ちになるなんて、想像もつかなかった。

会議が終わってから、石川が慌てて副社長室に来た。
「晴海、頼みがあるんだ」
「どうした、そんなに慌てて」
「これ、見てくれ」
A4の用紙に、パソコンで作られた1枚の紙。
そこに書いてあった内容は・・・

『~愛するあなたへ~ 私のお腹には、あなたとの愛の証が宿ってます。でも、あなたは奥様を愛している。だから、私は身を引きます。あなたと愛し合った、一夜の想い出を胸に秘めて、この子と一緒に、あなたの知らない所で暮らします。さようなら』

衝撃的な内容で、言葉を失った。
「石川・・・俺はお前を見損なったよ。皐さんという人がいるのに・・・それも、子供が産まれたばかりなんだぞ」
「ちょ、ちょっと待て!勘違いするな!俺には全く身に覚えの無いことなんだ」
「この場に及んで・・・男らしくないぞ!」
「本当だ!会議の資料の中に入ってたんだよ・・・」

俺はしばらく黙って、石川を見つめる。
何時に無く真剣な眼差し。

「その言葉、信じていいんだな?」
「俺が皐以外を愛せるわけないだろ!晴海は花純さん以外を愛せるのか?」
「いや、どんな絶世な美女が現れようが、金を積まれようが、絶対にあり得ない」
「俺だって、お前に負けないくらい、皐を愛してるんだ」
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