俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
【同期とのキスと副社長の密会】
梅雨が続き、もうすぐ本格的な夏を迎えようとする季節。

取引先の会社名も、ようやく分かるようになって来た。
朝から外出した副社長がそろそろ帰って来る頃だけど、空模様が怪しい。

そう思っていた矢先、雨が振り出した。
副社長、今日は電車で行くって言ってたなぁ・・・
確か傘は持ってるって言ってたし、大丈夫だよね。

しばらくすると、部屋のドアが開いた。
「ただいま」
「お帰りなさい・・・副社長・・・びしょ濡れじゃないですか!」

「あぁ、少しくらいならと思ったら、急に強く降り出してね」
髪から水滴がしたたり、濡れた上着は色が変わっていた。

慌ててタオルを取って来て渡す。
「ありがとう」
上着を脱ぐと肌が透けて見え、思わずドキッとして、目線をそらせた。

「あぁ、気が利かなくてごめん。向こうの部屋に行くよ」
「すみません、慣れているので大丈夫かと思ったのですが・・・」
「・・・慣れている・・・へぇー・・・男の裸、見慣れてるのか」

乱れた前髪の隙間から、鋭い目つきで見つめられた。
「あっ!違います!弟の事です!一緒に住んでる頃は、いつもシャツを着ずにうろうろしてたものですから」

変な言い方したから、誤解された!
弟が着替えてるのとは、わけが違う。
服を着ているとはいえ、副社長の肌が透けているのとは・・・

無造作に髪を拭きながら、後ろを通り、
「良かった・・・それなら安心した。着替えてくるよ」
囁く声に振り向くと、隣の部屋のドアが閉まった。

安心した?
秘書がトラブルになることを懸念してかな・・・
私が他の男性に目が向くなんて無いのに。
だって、こんなに副社長に夢中なんだから・・・
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