俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
しばらくして、唇が離れると、私を怒り混じりの目で見つめた。
「あいつのキスはどうだった?」
「あの・・・何のお話でしょうか・・・」
「富山と・・・あいつとキスしたんだよな」
「そ、それは・・・1度だけ、振り向いた時にいきなりだったから・・・」
「いきなりか・・・嬉しくなかったのか?」

嫌だった・・・私は俯きながら頷いた。
「そうか・・・そのキス、俺が忘れさせるよ」

顎に指が掛かると下唇が開き、キスと同時に、舌が絡め取られる。
こんなこと…頭が真っ白になる。

息が出来ないほど、激しいキスが止まらない。
立っていられないほどに・・・翻弄される。
崩れ落ちそうになった私を、腰に回った副社長の腕が支える。

唇が離れたと思ったら、目を見つめられて、また激しくキスが続く。
どれくらい時間が経ったかも分からない。

そしてようやく、唇が離れた。
「あいつとのキスの事は、忘れたか?」
まだ酔いしれる私は、潤む目で頷いた。

「許したんだよな?この体も」
「そんなこと、してません」
「嘘はつくなよ」
「本当です!嘘なんて・・・つきません」
「さっき、あいつに会った。何度も君を乱したって・・・」

うそ・・・違う。ただ・・・
「ホテルに」
「ホテルで、そのままあいつに抱かれたんだな・・・」
「ち、違います!その・・・キスをされた時、ホテルが近くにあって・・・」
「行って何も無かった・・・そんなことは無いだろ?」
「ホテルに入ろうするのを、私が拒んだ時に、女性に声を掛けられて・・・」
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