俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
和弥と食事に出掛け、ニューヨーク支社の事業の事で話をした後、和弥が古傷に触れた。

「ねぇ、彼女は大丈夫なの?」
「何が?」
「今までの柊弥の彼女は、僕と比較したり、目移りしてたよね。僕に付き合って、とまで言った人もいたし」
「花純は今までの彼女達とは違うよ」

次の彼女は違う。
そう思っていても、和弥が帰国した時に、紹介して会って話をするうちに、目つきが変わっていった。

「今までの彼女と同じで、立場と見かけだけで、彼女になったんじゃないの?」
「絶対に無いね」
「そうかな・・・どうしても、信じられない。じゃあ、試してみようよ。僕に揺るがないか」
「そんな花純を試すようなことはしない。信じてるから」
「柊弥を傷つけたくないんだ。滞在する間、僕に振り向かなければ合格だ」

自信はある。でも、過去の事を思うと・・・
不安は拭いきれないのは確かだが・・・

「それとも、柊弥、自信が無いの?僕が迫れば、心変わりするかもって」
「そんな事はない・・・花純は俺を愛してる」
「そんなに自信があるならいいじゃない。滞在期間の2週間、これで振り向かなかったら、花純ちゃんを認めるよ」
「・・・分かった。但し、手は出すなよ」
「僕が花純ちゃんを?僕は柊弥の彼女を、1度も好きになったこと無いよ。散々迷惑かけられたんだ。花純ちゃんの事も、好きにならないよ」
花純には申し訳ないけど、今までの女とは違う事を、証明したい。
揺るぎない愛であることを。
< 47 / 109 >

この作品をシェア

pagetop