俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
食事が終わると、花純が部屋から何か袋を持って来た。
「これ、和弥さんが、約束してたお揃いのカップだって、プレゼントしてくれました」
見せてくれたのは、色違いのコーヒーカップ。
「せっかくですから、このカップでコーヒー飲みましょう」
カップを見て喜ぶ花純は、いつもと変わらなかった。
そして、いつもと変わらない休日が過ぎていった。
夕食の後、残ってた仕事を済ませ、先に寝室に向かった。
今日から花純を抱ける。
そう思ってベッドに入ったけど、和弥の言葉が脳裏に浮かんだ。
『彼女から求めて来た事、ある?』
もちろん、純情な花純が、俺みたいに欲求を満たしたいとは思わないかもしれない。
でも、あんなに抱いていたのに、急に抱かれなくなって、寂しいと思わないのか・・・
先に目を瞑ってベッドで横になっていると、
「柊弥さん、おやすみなさい」
昨日と変わらず、花純は囁いた後、目を瞑った。
やっぱり・・・花純から俺を求める言葉は無かった。
このまま、俺がずっと求めなければ・・・どうなるんだろう・・・
色々な思いが駆け巡る。
寂しさで俺から離れるんだろうか・・・
抱かない日がもっと続いて、誰かに優しくされたら、その男に惹かれるんだろうか。
俺って・・・それだけの存在なんだろうか・・・