俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
すると、急に柊弥さんの顔つきが変わった。
「花純、明日からみっちり特訓だ」
「・・・あの・・・柊弥さん?」
「ん?」
「・・・騙しましたね」

笑って誤魔化す柊弥さんを睨みつけると、
「花純はいつまで経っても純粋だな。大好きだよ、花純」
微笑んでポトフを口に運んでいた。

本当は凄く辛いはずなのに、心配かけないようにしてるんだと思うと、やっぱり力になりたい。
「私、頑張りますね」
「頼りにしてるよ。ご馳走様」

後片付けしてる間も、柊弥さんは深刻な顔をして、和弥さんと電話をしていた。
「あぁ、分かった。準備したら連絡するよ」

電話を切った後、洗い物をしている私を、そっと後ろから抱きしめた。
「今から和弥達とWeb会議するよ。おやすみ」
顎に手が掛かり、唇が触れそうになった時、急に止まった。

「ダメだ・・・このままキスしたら、きっと抱いてしまう」
顎に掛けた指で唇をなぞり、
「ゆっくり寝ろよ」
穏やかな目で微笑んだ後、仕事部屋に入って行った。

どれだけのプレッシャーと戦ってるんだろう。
私には、計り知れない重圧。
それなのに、優しい柊弥さんに、胸がいっぱいになる。
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