俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
柊弥さんに抱きしめられ、何が起っているのか分からない私に、話の内容を教えてくれた。

「直ぐに緊急会議だ!花純、招集頼んでいいか?」
「はいっ、ニューヨーク支社ともWeb会議出来るように準備しますね!」
「あっ、ちょっと待って」
何だろうと待っていると、柊弥さんが近づいて来て、抱きしめられた。

「俺だけでは勝算が無かった。ありがとう、花純」
「いえ、私は何も・・・」
「晴海商事を守ってくれて、感謝してるよ」
「嬉しいです。お役に立てたなら・・・」

体を離すと、満面な笑みで
「お楽しみは後に取っておくよ」
安堵の表情を浮かべて、先に部屋を出て行った柊弥さんを見てホッとした。

プレゼンが終わってからの柊弥さんは、納める予定だった白波総合病院や、関係企業にも納品が厳しいと、足を運んでいた。
きっと、厳しい言葉も受けたと思う。
帰りも遅く、食事を取らないことも続いた。

少しやつれたかな・・・
仕事の事を忘れようとしてか、夜はいつもより激しく愛された。

晴海商事を背負う重圧。
どんなに辛くても逃げられない立場。

もっと・・・柊弥さんの力になりたい。
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