俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
「花純、お待たせ」
いつもの優しい声が後ろから聞こえ、優しく包み込まれた。
「柊弥さん・・・」
見上げると、私に微笑んでから、富山君を真っ直ぐ睨みつけていた。

「俺の花純に何か用か?」
「・・・へぇ、付き合ってるんですね」
「あぁ、残念だったな」
そう言うと、私の顎を上に向け、キスをした。

「心も体も全て俺に染めたから、もう他の男に染まる余地はないよ」
富山君は、悔しそうな顔で、柊弥さんを睨みつけていた。

「別に追いかけるつもり無いですよ。女には不自由してませんから」
捨て台詞を投げつけて、そのまま立ち去った。

「何もされなかったか?」
「は、はい、大丈夫です」
富山君の事より、人前でキスされた事に戸惑っていた。

「それにしても・・・相変わらずだな。あいつが花純とキスをしたかと思うと、やっぱり、嫉妬するな・・・」
「す、すみません・・・」
「責めてるわけじゃない。ただ、この嫉妬の気持ちを今夜、花純が慰めてくれよ」

な、慰めるって・・・きっと・・・
友達が話してるのを耳にしたことはあるけど・・・私、どうしていいか・・・
顔が熱くなってきて戸惑っていると、耳元で囁かれた。

「もちろん、俺が教えるから」
「あ、あの・・・」
「楽しみにしてる」
イタズラに笑う柊弥さんに、手を引かれ、歩き出す。
今夜のことを考えると、買い物どころでは無く、緊張するじゃないですか・・・
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