俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
そんな私の思いを気にせず、私の手を握り、歩く柊弥さん。

「あれ、花純に似合うよ」
「花純はすぐソファで寝るから、あれ、買おうか」

私のことばかり気にして、お店を見ている。
普段の柊弥さんは、副社長としての厳しく、凜とした時と違って、またカッコいい。
この人が私の彼氏なんだ・・・
時々、夢じゃ無いかと思ってしまう。

すれ違う女性達の、「見て!あの人、凄くカッコいいよね」「ほんとだ、モデルさんかな」ため息混じりで囁く声が聞こえる。
いつもの事なんだけど・・・

前に街を一緒に手を繋いで歩いていると、「ねぇ、あれって妹?」「似てないね。でも彼女はあり得ないよね」そんな言葉が聞こえたことがあった。

それから、手を繋いで歩く時は、うつむき加減で、1歩下がって歩いていた。
柊弥さんに恥ずかしい思いをさせないように。

すると、柊弥さんは手を離し、肩を抱いて歩きだした。
「本当の俺や花純を知らない人の言葉に、耳を傾けるな。俺達が愛し合ってたら、それでいいんだから」
「はい・・・」
「何なら、ここで、もう1度キスしようか?」
「い、いえ、もう気にしません」
「堂々と俺の隣で、彼女してろよ」

私の気持ちをいつも考えてくれて、不安を無くしてくれる。
強くて、優しい柊弥さん。
私も・・・強くならないと。
柊弥さんが、経営者としての手腕を発揮して、晴海商事が世界に羽ばたくために・・・
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