俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
結婚・・・柊弥さんの奥さんになりたい・・・その気持ちはあるけど・・・
それは私が決める事では無いと、理解しているし・・・

だからって、他の人と、まして全く知らない人と結婚なんて・・・
柊弥さん以外との生活・・・今が幸せ過ぎて、そんな事、考えもしなかった。

「何不自由なく、暮らせるだけではありません。今後、晴海商事を優先するだけでなく、私のネットワークを使い、全面バックアップをしますよ。それなら、安心でしょ?」

言葉が・・・出ない。ここで断ったら・・・
『私の愛する人は、副社長だけです』と言ったら・・・

社員の活気満ちあふれる姿、柊弥さんの苦労。
傍にいる私が1番理解している。
それを水の泡にすることは出来ない。

でも・・・
柊弥さんと離れたくない・・・
柊弥さん以外の人に、触れて欲しくない・・・
柊弥さんへの愛が、会社のためにと分かっていても邪魔をする・・・

「あの、少しお時間を」
「今直ぐに、返事をいただきたい」
「今ですか・・・」
「そうです」

ジョンソンさんが私を見る真剣な目つき。
この決断の重要性を物語ってる。

「あの、晴海商事の今後のお話、必ずお約束していただけますか?」
「もちろん」

どうしていいか・・・分からない。
柊弥さんへの愛の重さと、晴海商事の将来・・・

私が首を縦にふれば・・・それだけで晴海商事の飛躍的な発展に繋がるなら・・・

柊弥さんには・・・
私なんかより素敵な女性が直ぐに見つかる。

全てが上手くいくなら・・・私1人の幸せなんて・・・
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