俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
あの時、柊弥さんが言葉を発さなければ・・・
私は、咄嗟に柊弥さんを諦める覚悟をして、晴海の将来を考えた・・・

「・・・柊弥さんには、私なんかより素敵な女性が直ぐ見つかるし、私が首を縦に振れば、晴海商事はもっと」
「2度とそんな事考えるな・・・いいな」
冷静に話してるけど、怒りを抑えているのが分かる。
初めて見る柊弥さんだった。

「花純を手放した時、俺は俺で無くなってしまう。もう、花純がいない未来は考えていない」
「柊弥さん・・・」
「仕事は何とでも乗り切れる。花純に守って欲しいのは、誰にも見せることが出来ない俺だ。花純がいないと俺は・・・」

言葉に詰まる柊弥さんに抱きしめられた。
そして、私を抱きしめる力が、段々と強くなる。

「柊弥さん・・・本当にごめんなさい」
柊弥さんは、私の体を離すと、頬を撫でた。

「花純・・・俺がいつも愛し過ぎて、純情さは変わらないのに、隠しきれない色気が漂いだした。男の目が留まるようにしたのは、俺だな」
「あの・・・あんな姿は柊弥さんだからで・・・」
「分かってるよ・・・これからもずっと、俺色に染める。だから、何があっても誰にも渡さない」

唇に軽く触れるキスをして、私の目を見据えた。
「俺の妻になってくれないか、花純」
「私・・・本当に私で・・・いいんですか?」
「言っただろ・・・花純がいない未来は考えていない。俺の隣にいてくれ」
「 お願い・・・します」
柊弥さんに抱きつくと、優しく包み込んでくれた。
「必ず、俺の隣で、笑っていられるようにするから」
柊弥さんのお嫁さんになるなんて・・・夢みたい・・・

「花純のお母さんにも伝えないとな」
「私のお母さんは、いつも柊弥さんみたいに素敵な人はいないって言ってるので、大丈夫です。でも、柊弥さんのご両親は・・・私なんかで大丈夫でしょうか・・・」
「例え反対されても、俺の気持ちは揺るがない。だから安心しろ」
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