俺に夢中になれよ～純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない

「スミスさんって言うんだけど、お父さんが日本人のハーフで、アメリカ育ちだけど、日本語が話せるんだ」
「そうか。それは助かる」
「凄くイケメンでさ。彼女が居ないって言うから理由を聞いたら、日本人女性の清楚な人が好みなんだって。あれっ･･･もしかして、花純ちゃんじゃない？」
「わ、私は人妻ですから」
「ははっ、そうだね。向こうに着いたら、あまり1人で出歩かないようにしなよ。迷うと危ないから」
「はいっ、携帯持ってますし、大丈夫です」

私が疲れて眠っている間、柊弥さんと和弥さんは、それからも結局、仕事の打ち合わせをしたり、会社からの連絡事項に対応して過ごし、ニューヨークに着いた。

「柊弥、僕、直接会社に行くから」
「俺達は一旦ホテルに行って、チェックインしたら、支社に向かうよ」

飛行場からタクシーに乗り、私達をホテルに送った後、和弥さんは支社に向かった。
「花純は休んでていいよ。疲れただろ？」
「私はゆっくりしましたから。それに支社に行きたいです！いいですか？」
「じゃあ、食事してから行こうか。準備して」

バッグに必要なものだけ持って行こう。
指輪･･･
慣れなくて、手を洗う時に外して、飛行場で忘れかけた。
無くしたらどうしよう･･･
ニューヨークで無くしたら･･･外しておこうかな。
「花純、行くぞ」
「はいっ！」
呼ばる声に、慌てて財布の中にしまった。