俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
支社に着くと、柊弥さんが案内してくれた後、小さな会議室に通された。
「花純はここで待ってて。支社の中を見ても構わないから」
柊弥さんは、スミスさんと会う前に、和弥さんと打ち合わせに来客室に入った。
本を読んだりして時間を潰していたけど、支社の中を見たくなって、部屋を出てゆっくりと歩く。

英語が飛び交う職場。
見るからに洗練された人達。
和弥さんは、この中で指揮をとって、仕事をしてるんだ・・・
ちょっと見直した。

「あの・・・こちらの方ですか?」
ブラウンの髪に鼻筋が通った彫りの深い外国人の男性に、日本語で話し掛けられて、びっくりした。
「いえ、あっ、はいっ。本社から今日、初めて来まして」
まるで、モデルさんみたい・・・取引先の人かな・・・

「そうですか・・・私は日本が大好きで・・・日本の女性の方に会えて、嬉しいです。とても・・・綺麗ですね」
初めて会う人に、そんなこと言うなんて、やっぱり海外の人って、女性を褒めるのが上手だ。

「ありがとうございます。日本語がお上手ですね」
「えぇ、ハーフでして」
「そうですか。私は流暢に英会話出来るように勉強してますが、なかなか上達しなくて」
「勉強より、実際に話すことが1番ですよ。良かったら、私と」
「あっ!スミスさん、専務がお待ちです。こちらにどうぞ」
「はい!・・・では、失礼します。また、ゆっくりお話しましょう」
頭を下げて、満面な笑みを見せた男性は、案内されて来客室に入って行った。

今、確かスミスさんって・・・
あっ!あの人が和弥さんの言ってた人だ!
ほんとイケメンで、紳士的だった。
上手く、話が進めばいいけど・・・
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