俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
歩いている間、振り向くことなく会議室に入って、鍵が閉まった。
振り向かず、ため息をついている。凄く・・・怒ってる。

「本当にごめんなさい!」
頭を下げて謝ると、力強く抱きしめられた。

「どれだけ心配して探したか・・・何かあったら・・・そう思うと震えが来たよ」
愛おしむように抱きしめられる。
心配して肩で息をするくらい走り回って、探してくれてたんだから。
「見つけてくれて、ありがとうございます」

抱きしめた手を解き、私の顎を持ち上げて、
「何も無くて良かった。あんまり心配させるなよ」
安堵の表情を見せて、何度も唇を奪われた。
ここがどこだか忘れるくらい、柊弥さんのキスに酔いしれて、いつの間にかデスクまで追いやられていた。

甘いキスの時間が過ぎたと思うと、
「きゃっ!」
柊弥さんにデスクに抱き上げられると、ブラウスのボタンが外された。
「柊弥さん、和弥さんが待ってますから」
「あっ・・・そうか・・・10分だったな。夢中で忘れてた」

すると、
「指輪をしないなら、こうするしかないな」
私の首元に唇を落とす。
「しゅ、柊弥さん!」
私が止める腕を抑え、2度首筋に吸い付いた。

見えないけど・・・きっとキスマークが付いている。
「指輪を外したバツだ。隠すなよ」

私を下ろして鍵を開けると、柊弥さんが振り向いて、
「それと、走り回った俺を、今夜は花純が愛してくれよ」
イタズラに笑うと、ドアを開けて出て行った。
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