ごめん、キミが好き《短編・完結》
その日は、朝になっても全く眠れなかった。
その日から、タクマが私に笑いかける事はなくなった。
普通にしてって言う方が酷だよ。
「ねぇユイ、タクマ君とケンカでもしたの?」
ママがすぐに声をかけて来た。
「ちょっとね…。」
ママは私達の関係を知らない。
「も〜。またユイがワガママ言って困らせたんじゃないの?早く仲直りしなさいよ?もう明日はタクマ君の誕生日なんだし。」
「うん…。」
誕生日までには…誕生日を過ぎたら卒業式。
その先は?
私には見えない。
未来が見えない。